全日本選手権ロードレース

レース

■ 2012年4月29日 6時間17分

僕が今まで出場したレースの中ではぶっちぎりの大舞台。僕なんかが出場してもいいのか?という気持ち半分。チャレンジしてみたいという気持ち半分。このレースで勝った選手は日本一の称号と1年間のチャンピオンジャージを着用することができる特別なレース。

そんな1年に1回の大きなレースだから、昨年の高石杯で出場権を得て以降この日のために練習し調整してきた。もちろんこのレースに参戦するプロチームの選手も1年に1度の大舞台で日本一の称号を得るために調整し万全の態勢で挑んでくる。そんな中でどれくらい僕の力が通用するかわからない。それでもできる限りの事はしてきたつもり。

適度な緊張感がありつつ、体も調子いい。昨日も22時にはスムーズに就寝し、5時のアラームにも比較的気持ちよく起床することができた。体を冷やさないようにスポーツインナーを着て寝たものよかった。朝食は自宅から持って行ったフルグラでいつもの朝食をとり、ジャージに着替え6時に宿を出発して会場の八幡平へ。6時20分ごろに会場入りし、補給地点などを確認しておく。

その後自転車をおろしたりドリンクを作ったりして7時。軽く体を温めるためにコースの上り区間を1本走り、1キロ下ってさらにゴールまで30分弱走って出走サインへ。肖像権の誓約書とドーピングコントロールの用紙を提出し、出走サインを済ませてから車に戻ってアップオイルを入念に塗りこみ、レース中の日差しが強くなりそうなので日焼け止めも入念に塗りスタート地点へ。

スタート地点で角田君やオッペイ君と話をしながらスタートを待つと続々とプロ選手たちも集まりだして「いよいよ」って感じ。でもローリングスタートだからなのか、スタートの感じは全体的にリラックスしていてゆるい感じだった。でもアームウォーマーを付けてスタートするつもりだったのに忘れてしまった・・・。緊張していたのかな?。

8時にレースがスタートし、長い下り坂を下った先の最初の鋭角な右コーナーを抜けたところでリアルスタート。しかし、スタートしたのかな?と分からないくらい集団はゆっくりと進む。集団の比較的前の方で走っていると、集団が急に減速しブレーキを握る。すると、後ろの方でタイヤがロックする音と追突して落車が起こった鈍い音が聞こえた。

上り区間に入る手前のストレート区間でも道路からはみ出して路肩の未舗装部分を走ってしまってる選手や、コース上で止まってしまっている選手もいて、危うく接触しそうになるがギリギリで回避。しかし僕の後ろを走っていた選手はぶつかってしまった様子。序盤は落車に注意しなければならないのは全日本も一緒か・・・。

上り区間に入ると、前の方で数人がアタックしそのアタックはそのまま決まってしまう。その後に単発的な追走がパラパラと追う展開で、最終的には10名位の逃げとそれを追走する数名の後ろにメイン集団という構図。逃げ集団とのタイム差は周回を重ねるごとに広がり、最大で11分ほどの差ができた。

ここまでは本当にサイクリング状態。「プロ選手と八幡平を走ろう」って感じ。上り区間のワットは200w〜250wほどでダンシングするほどではない感じ。周りを見渡すと、土井選手・新城選手・畑中選手など有力な選手もいる。しかし畑中選手は序盤の落車に巻き込まれた様子でジャージが汚れていたり右ひじから血が流れていて痛々しい。

畑中選手がゼッケンを止めていた背中の安全ピンが外れていたので、とってあげることができるくらいのスローペース。

序盤は先頭が見える位置にいた方が良いな〜と思い前の方にいた4週目のシケインコーナーでフロントタイヤがパンク・・・。路肩に自転車を止めて審判カーにパンクを告げると、マビックカーからホイールを持った方が走ってきてすばやく車輪を交換してくれた。

急いで自転車にまたがると、サドルを勢いよく押してくれて再スタート。コースがまだ下り区間だったことが幸いして集団に復帰することができた。少し無駄な脚を使ってしまったけど、3周でリタイヤか・・・と気持ちが沈んでいたので救われた気持ち。

7週目に入ったあたりでここまでコントロールしていた愛三に変わりシマノが集団をコントロールし始めペースが1ランク上がる。それでも250w〜300w位で淡々と上る感じで一定ペース。ダンシングとシッティングを織り交ぜながらクリアしていく。この辺りから徐々に逃げ集団とのタイム差が縮まり始め、気温が高くなってきたことによって風も強く感じるようになってきた。小人数の逃げグループには厳しい展開だろうな。

10周目が終わったところで逃げ集団とのタイム差は2分ほどになり、吸収は時間の問題。そして11週目の上りに入ったところで強烈なペースアップ。僕は後ろの方でのんびり走っていてペースアップに遅れてしまい気づけば最後尾。

先頭は長いまっすぐな上り坂をぐんぐんと上って行ってしまい完全に追いつかない。

パワーメーターを見ながら300wを超えないように一人で淡々と上っていくとメイン集団のペースアップに耐えられず千切れた選手たちがポロポロと落ちて来る。2キロほど上ったところでオッペイ君に追いつき声をかけてさらに上ると、前の方でオーベストの西谷選手もメイン集団から脱落してしまったのが見えた。

補給所を過ぎたところで後ろを見ると、1人僕の後ろについてきていて、更に10mほど離れたところに2名の選手が見えた。後ろの2名を待つことにして4名でローテーションをしながら長い下り区間を下って少し前を走っていた5名ほどの集団に追いついた。この中には山梨県出身で日体大の雨宮君もいて声をかけつつローテーションして走る。

しかし、上り区間を250wほどで走っていると集団は崩壊し上り切ったところでは2〜3名に減ってしまった。下りでオーベーストの西谷さんを見つけ追いつき声をかけてローテーションしながら走り、14周目の上り坂を上ったところで残念ながら脚切り。

完走を目標にしていた僕の全日本は、あと2周を残して220キロ走ったところでおわった。


完走できなかったという結果には残念だったが、とにかく今の自分の力は出し尽くしたと思う。レースを下ろされるゴール前の上りでは、たくさんの方に声ねぎらいの言葉をかけてもらい、数人からは「なべっち!」と声もかけてもらえた。

そういえばレースを途中で下ろされるのは初めての経験だな。

その後女子エリートで3位になった広美さんと少し話をして残りのレースを見て過ごし、マビックブースにお礼を言って八幡平の温泉に入り山梨への耐久レースへ・・・。


応援してくださった皆さん。ありがとうございました。
リザルト


*写真提供ナガシマさん。


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