タイヤのグリップ(過去のログ)

タイヤは、どうしてグリップするのか?

以下のエントリーは、過去に掲載した記事を「雑学」カテゴリーにまとめるためのUPです。
オートバイの時も感じましたが、タイヤのグリップって言うのは凄い微妙な働きの中で成り立っています。オートバイや、自動車レースのタイヤは、同じメーカーのタイヤでも硬さの違うさまざまな種類のタイヤが存在します。F1やMotoGPなどのレースでよく耳にする、ソフト・ミディアム・ハードなどのコンパウンド(ゴム)があり大体この3種類がラインアップされていて、一般的にはソフトがハイグリップタイヤ(予選用タイヤ)と言われる事が多いのですが・・・一概にソフトが一番グリップするとは限りません。

タイヤがなぜグリップするかと言うと2つの摩擦力が大きな働きをしています。一つは、ゴムがタイヤから引きちぎられまいとする粘着摩擦。もうひとつは、弾性物質が持つ特有のヒステリシス摩擦(ヒステリシスロス)。

タイヤのグリップの殆どは、ヒステリシス摩擦に依存しています。雨の日などは、ヒステリシス摩擦が著しく低減するためクリップが落ちます。ヒステリシス摩擦とは、簡単に説明すると弾性物質(ゴム)などを10の力で押した時、反発力として5の力で戻ってくる弾性物質があるとします。その弾性物質は10の力のうち5の力を吸収した事になります。そこには、カロリー消費が発生していて、それが摩擦力となります。

タイヤのグリップを良くする一つの方法として、タイヤのゴムをやわらかくする方法があります。ヒステリシス摩擦が多く発生するようになるのでグリップはUPする方向になりますが、走行抵抗が増えタイヤの発熱量も増えます。逆にゴムを硬くすると、ヒステリシス摩擦が減りグリップは低下しますが走行抵抗は少なくなり発熱量も減ります。(同じ空気圧で使用した場合)

これによってタイヤのライフが減るか増えるかはまた別の話になります。タイヤの減りについては、その発熱によるタイヤの温度が関係してきます。ヒステレシス摩擦ともうひとつの粘着摩擦。この粘着摩擦が一番いい仕事をするためには適切な温度必要です。その温度を越えて発熱しすぎたり、逆に低く過ぎてもゴムの粘性がグリップ力につながらず、温度が高いと表面のゴムはドロドロに溶けてしまって加重を支える力を失い、逆に温度が低いと表面のゴムはタイヤから引きちぎられてしまいます。そうなるとタイヤのライフも短くなります。ですのでタイヤと言うのは、仕様用途やかかる負荷によってまったく違うゴムや構造が必用で精密です。

チューブレスタイヤはクリンチャータイヤに比べてチューブが無い分、弾性物質の量が少ないので走行抵抗を低くする事ができ、尚且つチューブが無い分、本来チューブが入るスペースに空気が入り、クリンチャーより多くの空気がタイヤの中に入るので乗り心地が良くなります。ただ現時点ではチューブレスタイヤはクリンチャーに比べて重く取り扱いにも注意が必要で少しシビアです。

簡単にガーーーー!っと書き散らしてしまいましたが弾性物質(ココではゴム)は、受けた抵抗や気温・路面温度によって発熱量が変わり、タイヤ温度(ゴムの温度)も変わります。ゴムは発熱すると柔らかくなる性質を持つので、ヒステリシス摩擦も粘着摩擦も、その摩擦力に変化が生じます。

なので、状況によって良いと感じるタイヤが違ったり、タイヤに入れる空気圧を変化させたりして対応します。


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