ブレーキングテクニック

以下のエントリーは、過去に掲載した記事を「雑学」カテゴリーにまとめるためのUPです。

乗り物の操作の中で(自動車・オートバイ・自転車など)一番難しい操作がブレーキングだと僕は思います。

自転車はいちどペダルをこぎ出すと前に進もうとする慣性が働きます。その運動をブレーキの摩擦によって熱に変換する事により前に進もうとする慣性をカロリー消費しコントロールします。このブレーキは乗り物には必ずと言って良いほどついています。なぜならスピードをコントロールできなければスピードを上げるにつれて危険性が増してしまうからです。しかし、闇雲にブレーキを操作すれば速度が落ち制動できるとも限りません。車輪がスリップしてしまえば、制動効率は下がってしまうし、2輪の場合は転倒・4輪の場合はスピンしてしまう危険性があります。

そしてブレーキにはこんな特性もあります。100キロで走行している自動車がフル制動した時に停止できる距離が100mの性能だったと仮定します。100キロの速度でブレーキを操作し50キロ(速度の半分)までスピードを落とすには約70mの距離が必要で、50キロ〜0キロまでは全体の30%程度で減速できるという特性を持ちます。オートバイでレースをしていた時も強く感じましたが、ロードバイクに乗ってみて更にブレーキ操作の難しさを感じています。特にロードバイクは、安定感が悪くて、タイヤのクリップ力も低いです。進むことを優先するあまり止る事に対しては苦手と言ってよい乗り物だと思います。そんなロードバイクのブレーキを少しでも安全に操作するためにはどうしたら良いのか?なんて考えた事ありますか?

僕はスピードを出すのが好きです。特に下り坂はスピードが出るので好きなのですが、あくまでもコントロールできる範囲でのスピードです。それでも僕はオートバイレースをしていた経験もあるので、他のローディよりも下り道は安全に高いスピードで走れる自身もあるし実際速い事が多いです。

じゃぁどうやったらロードバイクのブレーキに自信がもてるのか?ですが2輪車のブレーキにはこんな特性があります。コーナー中に前ブレーキを操作すると、2輪車は内側(コーナーのIN側)に前輪が切れ込もうとします。逆に後ろブレーキを操作すると、コーナーの外側に自転車を起こそうとします。このバランスを上手く組み合わせて前後のブレーキを使うとコーナーを安定して走る事ができるのです。

ブレーキの開始は、コーナーにアプローチする前(自転車がまだ傾いていない時)にはじめて、ブレーキを緩めながらコーナーに侵入するのが理想的で安全です。ブレーキが間に合わず、ブレーキを緩められないままコーナーに侵入してしまうと、体が硬直し視線が前輪を見てしまってバランスを崩しコーナーの外側に膨らんでしまいます。対向車が来ていた場合などは正面衝突してしまう可能性が高いので非常に危険です。加えて、コーナー中にタイヤがロックしてしまったり、タイヤがグリップを失い転倒してしまうなんて危険性も考えられます。スムーズなブレーキングはスムーズにコーナーをクリアしスムーズに加速をするためにも重要な操作なのです。しかし、コーナーを速く回ろうとしてブレーキすると手が突っ張ってしまってコーナーへのアプローチがし難いとか、前輪に体重が乗ってしまいリアタイヤがロックしてしまわないか心配だ。と感じる方が多いんじゃないかな?と思います。そういう場合は、まずリアブレーキを操作してからフロントブレーキを操作すると車体は安定します。ロードバイクにはサスペンションが無いので分かり難いのですが、リアブレーキを先に操作する事によって、リアタイヤに加重がかかります。一度リアに加重をかけてからフロントブレーキを操作すると、リアのグリップ力を落とさずに制動することが出来ます。これは2輪車のブレーキ操作の基本といって良い位重要で、上手な人になると意識しなくてもリアから操作するようなブレーキングになっています。リアの操作を少し早くしてあげることを意識して日々のブレーキングを行うことで、とっさのブレーキングでも無意識にリアを先に操作するようになり、安定したブレーキが出来て危険から回避できる率も高まります。

ブレーキ操作のイメージは、少し湿ったスポンジを水がこぼれないように握る感覚に近いです。少しずつ探りながら握りこみ、ゆっくりとレバーを緩める。上手なブレーキングは、走りもスムーズにして消費する労力も軽減します。そして、雨などの滑りやすい状況になっても、危険を回避できる可能性を高くしてくれます。レースを速く走るためにブレーキの存在は忘れられがちですが、実は凄く重要な運動のひとつだと僕は感じています。


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